研究開発Research and Development

安定型ビタミンC誘導体 アスコルビン酸2-グルコシドの研究

アスコルビン酸2-グルコシドとは

アスコルビン酸2-グルコシドは、ビタミンC(アスコルビン酸)の2位水酸基にグルコース(ぶどう糖)1分子が結合した構造をしています。ビタミンCの2位水酸基は、反応性が高く不活性化や分解の原因となり、このためビタミンCは分解しやすいという性質を持っています。
アスコルビン酸2-グルコシドは、この2位水酸基にグルコース1分子を酵素反応でα-グルコシド結合させることにより、熱や光などの影響をうけにくく安定性に優れるという性質をもたせました。
皮膚に塗布したり体内に摂取すると、酵素反応でビタミンCとグルコースに分解され、ビタミンCとしての効果を発揮します。
アスコルビン酸2-グルコシドの構造式

アスコルビン酸2-グルコシドの特徴
安定性が高い
水溶液中での安定性が高く、また、熱や金属イオンの存在下でも安定です。
着色しにくい
着色しにくく、製造時や保存中の色調変化が抑えられ、製品の品質保持に有用です。
酵素の働きでビタミンCを遊離して効果を示します。
このような特徴から、アスコルビン酸2-グルコシドは香粧品および食品の素材として利用されています。
アスコルビン酸2-グルコシドの香粧品への応用
皮膚などの組織に存在する酵素α-グルコシダーゼで加水分解されてビタミンCになり、細胞や組織中で生理的な効果を持続的に発揮します。
そのような特徴を生かして広く香粧品の素材として利用されており、医薬部外品の有効成分として承認前例があります。
効能または効果
「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」または「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」
アスコルビン酸2-グルコシドの生理機能
  • 美白:メラニン合成抑制作用
  • 美白:黒色メラニンの淡色化作用
  • サンケア:紫外線による細胞ダメージ抑制作用
  • エイジングケア:コラーゲン産生促進作用

美白:メラニン合成抑制作用

メラニンの合成を抑制しました

検証試験

メラノサイト(B16メラノーマ細胞)を1日間培養後、10 mmol/L アスコルビン酸2-グルコシドを添加、または無添加の新鮮な培地と交換しました。 さらに2日間培養後0.1%l-ドーパ液と1時間反応させました。対比染色にはNuclear Fast Redを用いました。

結果
メラニンの合成を抑制しました。

自社データ

美白:黒色メラニンの淡色化作用

黒色メラニンゲルの淡色化が認められました

検証試験

黒色反応が終了したメラニンゲル(Day 0)を用いて、各種被験物質を添加し、3日後(Day 3)の状態を観察しました。

結果
アスコルビン酸は、その還元作用によって黒色メラニンを淡色化しました。 また、アスコルビン酸2-グルコシドにα-グルコシダーゼを添加することで、アスコルビン酸と同様に黒色メラニンを淡色化しました。

自社データ

美白:メカニズム

ビタミンCになって黒色メラニンやその前駆体に作用します。

アスコルビン酸2-グルコシドは、ビタミンCになり、メラニン合成の中間物質ドーパキノンをドーパに還元する作用によってメラニン合成を抑制します。 さらに、いったん合成された黒色メラニンを還元して、淡色にします。

サンケア:紫外線による細胞ダメージ抑制作用

紫外線照射による細胞のダメージを抑制しました

検証試験

ヒト皮膚繊維芽細胞を1日培養後、1 mmol/L アスコルビン酸2-グルコシドを添加、または無添加で引き続き1日培養しました。 その後、紫外線照射(20 mJ/cm2)し、2日培養を行い、細胞数を計測しました。

結果
紫外線照射によるヒト皮膚繊維芽細胞のダメージを抑えました。

自社データ

エイジングケア:コラーゲン産生促進作用

コラーゲン産生促進作用が認められました

検証試験

正常ヒト皮膚繊維芽細胞にアスコルビン酸2-グルコシドを0.05 mmol/L添加し、3~7日間培養後、総タンパク質量あたりのコラーゲン量(%)を測定しました。

結果
アスコルビン酸2-グルコシド添加により、正常ヒト皮膚繊維芽細胞のコラーゲン産生を促進しました。

自社データ