研究開発Research and Development

学会発表・論文ライブラリー

トレハロースに関する論文を期間限定で公開中TREHALOSE ARTICLES COLLECTION

2020

食品Trehalose itself plays a critical role on lipid metabolism: Trehalose increases jejunum cytoplasmic lipid droplets which negatively correlated with mesenteric adipocyte size in both HFD-fed trehalase KO and WT miceトレハロースの脂質代謝への重要な働き:トレハロースはHFD負荷トレハラーゼKO及びWTマウスの腸間膜脂肪細胞面積と負の相関がある空腸脂肪滴を増加させた

Nutrition & Metabolism(2020)17:22 doi.org/10.1186/s12986-020-00443-1

Chikako Arai, Aki Suyama, Shigeyuki Arai,Norie Arai, Chiyo Yoshizane, Satomi Koya-Miyata, Akiko Mizote, Shin Endo, Toshio Ariyasu, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio

トレハロースはトレハラーゼの有無に関わらず、脂質代謝に影響した。HFD負荷トレハラーゼKOマウス及びWTマウスにトレハロースを飲水させると、空腸上皮内に脂肪滴が増加し、腸管腔内に剥げ落ちることにより、糞中に脂質が排泄され抹消に移行するカイロミクロンは低下していた。空腸上皮脂肪滴(CLDs)含有率と腸間膜脂肪細胞サイズには負の相関が認められ、これらの現象はトレハロースのメタボリックシンドローム抑制効果を示唆している。

その他Molecular Inverse-Design Platform for Material Industriesマテリアル産業のための分子逆設計プラットフォーム

KDD '20: Proceedings of the 26th ACM SIGKDD International Conference on Knowledge Discovery & Data MiningAugust 2020 Pages 2961-2969. https://doi.org/10.1145/3394486.3403346

Seiji Takeda1*, Toshiyuki Hama*1, Hsiang-Han Hsu*1,Victoria A. Piunova*2, Dmitry Zubarev*2, Daniel P. Sanders*2, Jed W. Pitera*2,Makoto Kogoh*3, Takumi Hongo*3, Yenwei Cheng*3, Wolf Bocanett*3, Hideaki Nakashika*3,Akihiro Fujita, Yuta Tsuchiya, Katsuhiko Hino, Kentaro Yano,Shuichi Hirose*4, Hiroki Toda*4, Yasumitsu Orii*4, Daiju Nakano*1

*1 IBM Research - Tokyo
*2 IBM Almaden Research Center
*3 IBM Garage, Tokyo Laboratory
*4 NAGASE Co., Ltd.

新規材料の発見は、産業界の持続的な発展に不可欠である。しかしながら、新規材料は人間の専門家たちが全ての可能性を検討することは、現実的には困難なほどに多様である。本論文では我々は、人工知能を用いた分子逆設計プラットフォームをWebサービスとして構築した。本プラットフォームでは、化合物の構造と性質の関係性を人工知能に学習させることで、望みの性質を有する化学構造を人工知能に出力させることが可能となる。今回我々は、特に色素と糖質についてシステムを開発し、標的構造を得た。システムの開発過程と結果について本論文で報告する。

その他A cyclic tetrasaccharide, cycloisomaltotetraose, was enzymatically produced from dextran and its crystal structure was determined環状四糖シクロイソマルトテトラオースはデキストランから酵素的に生成された、またその結晶構造を明らかにした

Carbohydrate ResearchVolume 496, October 2020, 108104

Akihiro Fujita, Akira Kawashima, Hiromi Ota*, Hikaru Watanabe, Tetsuya Mori,Tomoyuki Nishimoto, Hajime Aga, Shimpei Ushio

* Okayama University

土壌から単離された2つの菌株, Agreia sp. D1110およびMicrobacterium trichocethenolyticum D2006は新規な環状四糖シクロイソマルトテトラオース(CI4)を酵素的に生成することを明らかにした。また、CI4の単結晶を取得しCI4の立体構造を明らかにした。CI4単結晶中のCI4は、二つのグルコシル残基がそれぞれ向かい合うユニークな3D構造を示すことが明らかとなり、既知環状四糖とは大きく異なっていた。これは、CI4分子とそのユニークな結晶構造に関する最初の報告である。

医療Trehalose alleviates oxidative stress-mediated liver injury and Mallor-Denk body formation via activating autophagy in miceトレハロースは、マウスにおけるオートファジーの活性化を介して、酸化ストレスを介した肝障害およびマラー・デンク体形成を緩和した

Medical Molecular Morphology, 2020 Jun 25. doi: 10.1007/s00795-020-00258-2.

Yuichi Honma*, Miyuki Sato-Morita*, Yuka Katsuki*, Hitomi Mihara*, Ryoko Baba*, Katsuhiko Hino, Akira Kawashima, Toshio Ariyasu, Masaru Harada*

*Third Department of Internal Medicine, School of Medicine, University of Occupational and Environmental Health

トレハロースがオートファジーの活性化を介して酸化ストレス関連肝疾患の治療薬となり得ることを示唆している。

食品Daily consumption of one teaspoon of trehalose can help maintain glucose homeostasis: a double-blind, randomized controlled trial conducted in healthy volunteers小さじ1杯のトレハロースを毎日摂取すると、グルコース恒常性の維持に役立つ:健康なボランティアで実施された二重盲検無作為化比較試験

Nutrition Journal (2020) 19:68

Chiyo Yoshizane, Akiko Mizote, Chikako Arai, Norie Arai, Rieko Ogawa, Shin Endo, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio

1日小さじ1杯(3.3g)のトレハロースを12週間摂取してもらい、摂取前後にグルコース負荷試験を実施して、食後血糖値の戻りやすさを調べた。その結果、既報のトレハロース10g摂取と同様に、トレハロース摂取により食後血糖値が戻りやすくなっていた。小さじ1杯のトレハロースは毎日の食事に取り入れやすい量であり、食後血糖値が高めの健康なヒトで血糖値を元に戻しやすくするのに役立つと考えられる。

食品Brain degeneration suspected of hepatic encephalopathy associated with early nonalcoholic steatohepatitis in TSOD mice非アルコール性脂肪肝炎初期のTSOD マウスの肝性脳症が疑われる脳変性

九州実験動物雑誌(2020),№36, 13~22

須山 晶、室冨 和俊*1、新井 成之、有安 利夫、三鼓 仁志、中島 芳浩*2

*1 (国)産業技術総合研究所、バイオメディカル研究部門
*2 (国)産業技術総合研究所、健康工学研究部門

糖転移ヘスペリジンを摂取したTSOD マウスの脳では毛細血管周囲の浮腫や神経細胞変性が軽度であることを初めて明らかにした。TSOD マウスのNASH 進展における中枢神経の解析は、糖尿病や肝性脳症の脳機能傷害機序の解明並びに治療戦略に貢献できることを示唆している。

その他Molecular analysis of cyclic α-maltosyl-(1→6)-maltose binding protein in the bacterialmetabolic pathway微生物代謝経路における環状 α-マルトシル-(1→6)-マルトース結合タンパク質の分子学的解析

PLoS ONE 15(11): e0241912 (2020)

Masaki Kohno*1, Takatoshi Arakawa*1,2, Naoki Sunagawa*3, Tetsuya Mori, Kiyohiko Igarashi*3,4, Tomoyuki Nishimoto, Shinya Fushinobu*1,2

*1 Department of Biotechnology, The University of Tokyo, Tokyo, Japan,
*2 Collaborative Research Institute for Innovative Microbiology, The University
of Tokyo, Tokyo, Japan
*3 Department of Biomaterial Sciences, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
*4 VTT Technical Research Centre of Finland Ltd., Espoo, Finland

環状 α-マルトシル-(1→6)-マルトース (CMM) は交互にα-1,4および1,6結合を有する環状グルコ四糖である.この論文において,我々はArthrobacter globiformis細菌のABC輸送体システムにおけるCMM結合タンパク質 (CMMBP) の機能および構造解析について報告する.等温滴定型熱量解析により,CMMBPは9.6nMのKd値をともなってCMMに特異的に結合することが明らかとなった.1.47Åの分解能でCMMBPの結晶構造が決定され,二つのドメイン間のクレフトに一分子のパノースが結合していた.構造的特徴を明らかにするため,環状 α-ニゲロシル-(1→6)-ニゲロースおよびサイクロデキストリンのような糖質特異的なその他SBPとCMMBPの比較を行った.これらの結果は,A. globiformisがCMMに特化したユニークな代謝経路を有していることを示唆している.

食品Effects of Glucosyl Hesperidin on Skin Blood Flow and Temperature: A Randomized, Double-blind, Placebo-controlled, Crossover Study皮膚血流および皮膚表面温度に対する糖転移ヘスペリジンの効果:プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験

診療と新薬 Medical Consultation & New Remedies 57(2), 129-134 (2020)

Naoki Morishita, Saori Ogihara, Shin Endo, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio

健康な成人男女24名に糖転移ヘスペリジン 100 mgを単回摂取してもらい、寒冷ストレス後の血流と皮膚温度を調べた。その結果、既報の340 mgと同様に糖転移ヘスペリジン100 mgの摂取は寒冷ストレス後に血流と皮膚温度の回復を促進することが明らかとなった。

食品Oral intake of α-glucosyl-hesperidin ameliorates selenite-induced cataract formationα-グルコシルヘスペリジンの経口摂取は亜セレン酸誘発白内障形成を改善する

MOLECULAR MEDICINE REPORTS 18, 1043-1050 (2018)

Yosuke Nakazawa*1, Miki Aoki*1, Sho Ishiwa*1, Naoki Morishita, Shin Endo, Noriaki Nagai*2, Naoki Yamamoto*3, Megumi Funakoshi-Tago*1, Hiroomi Tamura*1

*1 Department of Hygienic Chemistry, Faculty of Pharmacy, Keio University
*2 Department of Advanced Design for Pharmaceuticals, Faculty of Pharmacy, Kindai University
*3 Regenerative Medicine Support Promotion Facility, Center for Research Promotion and Support, Fujita Health University

亜セレン酸誘発白内障モデルを用いて、糖転移ヘスペリジンの抗白内障効果をin vivoおよびin vitroで検討した。その結果、糖転移ヘスペリジンの経口摂取は、亜セレン酸誘発性白内障の発症を顕著に遅延させることが明らかとなった。また、作用機序のひとつとして水晶体上皮細胞においてヘスペレチンがセレナイト誘発性の細胞死を抑制することが確認された。

食品Inhibitory Effect of Isomaltodextrin Intake on Increase in Postprandial Blood Triglycerides―A Randomized, Placebo-controlled, Double-blind, Crossover Study―イソマルトデキストリンの食後血中中性脂肪上昇抑制作用―無作為化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験―

JAPANESE PHAMACOLOGY & THERAPEUTICS 48(8), 1437-1446 (2020)

Yuki Ishida, Tsuyoshi Sadakiyo, Shin Endo, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio, Nobuhiko Shioya*1, Yoshitaka Iwama*2

*1 KSO Corporation
*2 Nihonbashi Cardiology Clinic

空腹時血中中性脂肪(TG)値が正常~やや高めの者が高脂肪食と一緒にIMDを摂取すると、食後TGおよびレムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)のAUCが低値を示した。また、空腹時TG値が正常な者のみでも同様の結果が得られた。

食品Sex-Specific Differences in the Gut Microbiome in Response to Dietary Fiber Supplementation in IL-10-Deficient MiceIL-10欠損マウスの食物繊維投与に応じた腸内細菌叢の性特異的差異

Nutrients, 12: 2088; doi: 10.3390/nu12072088 (2020).

Zhengxiao Zhang*1, 2, Jae Eun Hyun*1, 2, Aducio Thiesen*1, Heekuk Park*3, Naomi Hotte*1, 2, Hikaru Watanabe, Takanobu Higashiyama, Karen L Madsen*1, 2

*1 Department of Medicine, University of Alberta
*2 The Centre of Excellence for Gastrointestinal Inflammation and Immunity Research (CEGIIR), University of Alberta
*3 Department of Medicine, Columbia University

この研究では、インターロイキン(IL)-10欠損マウス大腸炎モデルを使用して、腸内細菌叢および炎症性腸疾患に対するイソマルトデキストリンの効果が用量または宿主の性別に依存するかどうかを調べた。その結果、イソマルトデキストリンは特定の免疫調節サイトカイン応答に関連する腸内微生物組成を変化させた一方で、食物繊維、微生物叢、および免疫応答間の相互作用は用量依存的であり、主に性特異的であることが示された。また、環境要因と宿主要因の間の相互作用が宿主のマイクロバイオーム操作に影響を与える可能性があることも示された。

食品Influence of Trehalose Mouth Rinse on Anaerobic and Aerobic Exercise Performanceトレハロースマウスリンスが無酸素性運動および有酸素性運動のパフォーマンスに及ぼす影響

Natural Product Communications 15(11): 1-6 (2020)

Yoshio Suzuki*1, 2, Kotaro Sato*2, Norie Arai, Shin Endo

*1 Juntendo University, Graduate School of Health and Sports Science
*2 Juntendo University, Faculty of Health and Sports Science

運動前のトレハロース摂取は、30分以内の運動パフォーマンスを増強する。この効果がマウスリンス効果によるものかを調べるため、10人の健康な男子大学長距離ランナーは、6秒間のピークパワーと持久力テストで構成される運動評価を行った。各運動テスト前に6% w/v トレハロース、6% w/vマルトースあるいはアセスルファムカリウムのいずれかで5秒間口をすすいだ。トレハロースでは、ピークパワーテストの平均パワー値が最も高く、持久力テストではマルトースよりも平均パワーが高かった。
トレハロースは味覚受容体T1R1-T1R3、T1R3-T1R3ホモダイマー、およびT1R2-T1R3を活性化するが、スクロースはT1R2-T1R3のみを活性化することなどから、トレハロースとマルトースの違いは口腔内の特定の受容体に起因する可能性がある。

食品Cyclic nigerosylnigerose ameliorates DSS-induced colitis with restoration of goblet cell number and increase in IgA reactivity against gut microbiota in miceCyclic nigerosylnigeroseは杯細胞数の回復とマウス腸内細菌叢に対するIgA反応性の増加により、DSS誘発性大腸炎を改善する

Bioscience of Microbiota, Food and Health, 39(3), 188-196 (2020)

Takeshi Tsuruta*, Emiko Katsumata*, Akiko Mizote, Hou Jian Jian*, Teresia Aluoch Muhomah*, Naoki Nishino*

*Laboratory of Animal Nutrition, Graduate School of Environmental and Life Science, Okayama University

CNNを6週間給餌した後のBalb / cマウスにデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を用いて実験的な大腸炎を誘発させ、腸炎症時のIgA分泌促進に対するCNNの効果を調査した。 CNNは結腸内の杯細胞を保存し、腸内細菌叢のIgAコーティングを促進することで、相乗的にDSS誘発性大腸炎のマウスの腸の炎症を改善する可能性がある。

食品Isomaltodextrin strengthens model starch gels and moderately promotes starch retrogradationイソマルトデキストリンはモデルデンプンゲルを強化し、デンプンの老化を適度に促進する

International Journal of Food Science and Technology, doi:10.1111/ijfs.14782 (2020)

Fang Fang*1, Anna M.R. Hayes*1, Hikaru Watanabe, Takanobu Higashiyama, Osvaldo H. Campanella*2 Bruce R. Hamaker*1

*1 Department of Food Science, Whistler Center for Carbohydrate Research, Purdue University
*2 Department of Food Science and Technology, The Ohio State University

この研究では、デンプンゲルの粘弾性と微細構造およびデンプンの老化に対するイソマルトデキストリン(IMD)の影響を調査した。IMD溶液は、典型的なニュートン挙動を示した。相対湿度95%に維持すると、IMDは元の重量の40%の水を吸収した。通常のコーンスターチにIMDを添加するとゲルの強度が増し、細孔構造がより密になり、小さくなったが、弾性に変化はなかった。7日間保存すると、高濃度のIMD(デンプン:IMD = 2:1)を添加すると、デンプンの老化の程度が大幅に増加した。

食品Lactotrehalose, an Analog of Trehalose, Increases Energy Metabolism Without Promoting Clostridioides difficile Infectionin Miceトレハロースの類似体であるラクトトレハロースは、マウスのクロストリジウム・ディフィシル感染を促進することなくエネルギー代謝を増加させる

Gastroenterology, 158:1402-1416 (2020)

Yiming Zhang*1, Nurmohammad Shaikh*1, Jeremie L. Ferey*2, Umesh D. Wankhade*3, Sree V. Chintapalli*3, Cassandra B. Higgins*1, Jan R. Crowley*4, Monique R. Heitmeier*1,Alicyn I. Stothard*5, Belgacem Mihi*1, Misty Good*1, Takanobu Higashiyama, Benjamin M. Swarts*5, Paul W. Hruz*1, Kartik Shankar*3, Phillip I. Tarr*1,6, Brian J. DeBosch*1,7

*1 Department of Pediatrics, Washington University School of Medicine
*2 Department of Obstetrics and Gynecology, Washington University School of Medicine
*3 Department of Pediatrics, University of Arkansas
Medical School
*4 Department of Medicine, Washington University School of Medicine
*5 Department of Chemistry and Biochemistry, Central Michigan University
*6 Department of Molecular Microbiology, Washington University School of Medicine
*7 Department of Cell Biology and Physiology, Washington University School of Medicine

ラクトトレハロースはトレハラーゼ耐性類似体であり、Cディフィシル菌株CD027の量や毒性を増加させることなく、トレハロースに比べて代謝パラメーターを増加させる。トレハラーゼ耐性トレハロース類似体は、糖尿病および非アルコール性脂肪肝疾患の治療のための次世代の空腹模倣薬として開発される可能性がある。

食品Maltosyltrehalose Syrup: Bacterial reverse mutation test, and 90-day feeding and 90-day repeated oral dose toxicity studies in ratsマルトシルトレハロースシロップ:細菌の復帰突然変異試験、ラット90日摂食および90日反復経口投与毒性試験

Fundamental Toxicological Sciences 7(3), 141-152 (2020)

Shuji Matsumoto, Takaharu Hashimoto, Chie Ushio, Keisuke Namekawa, Alan B. Richards*

*Vanguard Regulatory Services, Inc.

この論文は、マルトシルトレハロースシロップ(TG4シロップ)の in vitro細菌変異原性試験、ラット90日間経口摂食試験、ラット90日間経口毒性試験(強制経口投与)といった標準毒性試験の結果を示す。これらのデータを総合すると、TG4シロップはこれらの研究で安全に使用できることが示され、人間が安全に摂取できることが示唆された。

飼料Effect of trehalose supplementation on growth performance and intestinal morphology in broiler chickensトレハロース給与がブロイラーの飼養成績および腸管形態に及ぼす影響

Veterinary and Animal Science 10 (2020) 100142

Yuwares Ruangpanit*1, Koichi Matsushita*2, Kazuhisa Mukai, Motoi Kikusato*3

*1 Animal Science Department, Kasetsart University
*2 Yamanashi Prefectural Livestock Dairy Technology Center
*3 Animal Nutrition, Life Sciences, Graduate School of Agricultural Science, Tohoku University

本研究では,トレハロース給与がブロイラーの飼養成績および腸管形態に及ぼす影響について調べた。
トレハロースを給与すると空腸および回腸における絨毛高/陰窩深の比率が有意に増加した。
またトレハロース0.5%給与により,体重が有意に増加し,飼料要求率が有意に低下した。
以上より,ブロイラーへのトレハロース給与は、腸管形態および飼養成績の改善に有益であることが示唆された。

医療Inflammatory M1-like macrophages polarized by NK-4 undergo enhanced phenotypic switching to an anti-inflammatory M2-like phenotype upon co-culture with apoptotic cellsNK-4により炎症性でM1様に分極したマクロファージは、アポトーシス細胞と共培養することにより抗炎症性でM2様の表現型へと移行する

Journal of Inflammation, in press

Keizo Kohno, Satomi Koya-Miyata, Akira Harashima, Takahiko Tsukuda, Masataka Katakami, Toshio Ariyasu, Shimpei Ushio and Kanso Iwaki

錠剤ルミンAの有効成分であるNK-4は、マクロファージに作用し炎症性で貪食作用の亢進したM1様マクロファージへと分極させることを見出した。この結果はNK-4が、創傷治癒の炎症相において外部から侵入した病原体に対する最前線の防御作用を賦与することを示唆している。さらにNK-4によりM1様へと分極したマクロファージは、アポトーシス細胞と培養することにより抗炎症性で創傷治癒作用のあるM2様のマクロファージへと移行が促進されることが分かった。慢性炎症性疾患では、炎症相から抗炎症相への移行が滞っていることが報告されており、今回の結果は、NK-4が慢性炎症の治癒に有効な手段となる可能性を示唆している。

2019

食品Continuous intake of Trehalose induces white adipose tissue Browning and Enhances energy metabolismトレハロース摂取の継続は白色脂肪組織の褐色化を誘導し、エネルギー消費を亢進させる

Nutrition & Metabolism 16:45(2019)doi.org/10.1186/s12986-019-0373-4

Chikako Arai, Norie Arai, Chiyo Yosizane, Satomi Miyata, Akiko Mizote, Shin Endo, Toshio Ariyasu, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio

通常食飼育・C57BL/6Jマウスに0.3%Tre水の16週間継続摂取を行うと、白色脂肪組織中のベージュ細胞が増加し、直腸温が上昇し、随時血糖値が低くなった。白色脂肪細胞面積とベージュ細胞率とは負の相関が認められた。ベージュ細胞増加はベージュ関連遺伝子の増加によっても裏づけられた。トレハロースはベージュ細胞を増加させ、エネルギー代謝を亢進することにより、白色脂肪細胞の肥大化を抑制していた。

食品Trehalose attenuates development of nonalcoholic steatohepatitis associated with type 2 diabetes in TSOD mouseトレハロースはTSODマウスの2型糖尿病に関連した非アルコール性脂肪肝炎の進行を減弱させる

Journal of Functional Foods 56, 303-311 (2019)

Kazutoshi Murotomi*, Shigeyuki Arai, Aki Suyama, Akira Harashima, Yoshihiro Nakajima*

* Health Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルのTSODマウスにおいて、トレハロースは耐糖能とNASH病変を著明に改善した。インスリン抵抗性に関連した腸間膜や肝臓の脂肪蓄積や異常な鉄吸収を抑制することで、トレハロースは2型糖尿病からNASHへの進行を抑制した。

医療Adenosine N1-Oxide Exerts Anti-inflammatory Effects through the PI3K/Akt/GSK-3β Signaling Pathway and Promotes Osteogenic and Adipocyte DifferentiationアデノシンN1-オキシドは、PI3K / Akt /GSK-3βシグナル伝達経路を介して抗炎症効果を発揮し、骨形成および脂肪細胞の分化を促進する

Biol. Pharm. Bull. 42(6), 968-976 (2019)

Ohashi E, Kohno K, Arai N, Harashima A, Ariyasu T, Ushio S

ANOは、炎症性疾患の治療候補として役立つ可能性がある。ANOによる骨形成と脂肪細胞の分化の促進は、再生医療への応用の可能性を示唆している。

食品Attenuating Effect of Isomaltodextrin Contained in Bread on Postprandial Plasma Glucose Levels in Healthy Humans :A Randomized, Placebo-controlled, Double-blind Crossover Study健常被験者におけるイソマルトデキストリン配合パンの血糖上昇抑制作用:無作為プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験

診療と新薬 Medical Consultation & New Remedies 56(5), 358-364 (2019)

Takeo Sakurai, Yuki Ishida, Shin-ichiro Inoue, Mayumi Kurose, Yukinobu Uchida, Nariaki Yoshida, Tsuyoshi Sadakiyo, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio, Junichi Hiramatsu*

* Health Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology

血糖値の上がりやすい被験者にパン(IMD非配合もしくは2.93g配合)を含む朝食を摂取させ、摂取直前から摂取後120分までの血糖値を経時的に測定したところ、経時的な血糖値の推移およびその曲線下面積において、IMD摂取時はIMD非摂取時に比べて有意な血糖上昇抑制が認められた。

医療Polarization and roles of mouse splenic macrophages in the recovery phase of iron deficiency anemia鉄欠乏性貧血回復期におけるマウス脾臓マクロファージの分極化と役割

診療と新薬 Medical Consultation & New Remedies 56(11), 826-835 (2019)

須山 晶, 新井 成之, 宮田 聡美, 河野 惠三, 和氣 人水, 原島 哲, 有安 利夫, 三皷 仁志, 牛尾 慎平

貧血回復期において, マクロファージはM2に分極することが明らかとなり, NK-4の経口投与によってM2の増加とヘモグロビン値の回復が促進されたことから, M2への分極がヘモグロビン値の回復を促進する可能性が示された。

食品Effects of a Single Ingestion of Trehalose during Prolonged Exercise 長期運動中のトレハロースの単回摂取の影響

Sports 2019, 7, 100; doi:10.3390/sports7050100

Tsuyoshi Wadazumi*1, Kanji Watanabe*2, Hitoshi Watanabe*3, Hisayo Yokoyama*3, Nobuko Hongu*4, Norie Arai

*1 Kansai University,
*2 Mukogawa Womes’s University
*3 Osaka City University
*4 University of Arizona

長時間運動試験において、トレハロース単回摂取による運動パフォーマンス及びエネルギー利用への影響について調べた結果、グルコースと脂質の効果的な活用を介して長時間運動の後半の運動パフォーマンスを改善するのに効果的であることがわかった。

食品Therapeutic effects of isomaltodextrin in a BALB/c mouse model of egg allergy卵アレルギーのBALB/cマウスモデルにおけるイソマルトデキストリンの治療効果

Journal of Functional Foods 55, 305-311 (2019)

Yoshinori Mine*1, Yan Jin*1, Hua Zhang*2, Kaustav Majumder*1, Yuhan Zeng*1, Takeo Sakurai, Yoshifumi Taniguchi, Ryodai Takagaki, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi

*1 Department of Food Science, University of Guelph
*2 Guelph Food Research Centre, Agriculture and Agri-Food Canada

BALB/cマウスをOVAに感作させた後、異なる用量のイソマルトデキストリンを含む飲料水を投与した。 その結果、イソマルトデキストリンの投与がアレルギー症状を著しく緩和し、血清中のヒスタミン濃度が低下した。 また、イソマルトデキストリンの投与は血清OVA特異的IgE濃度に影響しなかったが、総IgE値を低下させた。さらにイソマルトデキストリン投与群では、IL-4産生の低下により免疫応答の違いが観察された。 本研究はイソマルトデキストリンの経口投与がマウスのOVA誘発アレルギー性免疫応答を効果的に減衰させることを示唆する。

食品Inhibitory effect of isomaltodextrin on tyrosine metabolite production in rat gut microbiotaラット腸内細菌叢のチロシン代謝産物産生に対するイソマルトデキストリンの阻害効果

Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry Published online, 84(4),824-831(2019)

Ryodai Takagaki, Chiyo Yoshizane, Yuki Ishida, Takeo Sakurai, Yoshifumi Taniguchi, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio, Hidetoshi Morita*

*Graduate School of Environmental and Life Science, Okayama University

チロシン投与試験で腸内細菌による腐敗生成物の生産に対するイソマルトデキストリン処理ラットのフェノール生産への影響を調査した。チロシンのみを投与した場合にはフェノールとp-クレゾール濃度の有意な増加が観察されたが、チロシンとイソマルトデキストリンを同時投与したラットではみられなかった。 このメカニズムとしては、イソマルトデキストリンが腸内微生物叢を変化させてチロシンの代謝能力を低下させ、フェノールまたはp-クレゾールの産生を抑制するためと考えられた。

食品Prophylactic effects of isomaltodextrin in a Balb/c mouse model of egg allergy.卵アレルギーのBalb/c マウスモデルにおけるイソマルトデキストリンの予防効果

NPJ Science of Food 3.23(2019)

Mine Y*1, Jin Y*1,2, Zhang H*1, Rupa P*1, Majumder K*1,3, Sakurai T, Taniguchi Y, Takagaki R, Watanabe H, Mitsuzumi H

*1 Department of Food Science, University of Guelph
*2 Present Address: College of Food Engineering and Biotechnology, Tianjin University of Science and Technology
*3 Present Address: Department of Food Science and Technology, University of Nebraska-Lincoln

Balb/cマウスにさまざまな用量のイソマルトデキストリン(1.0、2.5、および5.0%w/v)を6週間飲水でプレ投与し、その後、イソマルトデキストリンの連続投与とともに卵オボアルブミンで感作させ、アレルギーの臨床兆候を評価した。 イソマルトデキストリン投与によってアレルギー臨床兆候の頻度は有意に変化しなかったが、全体的に減少傾向となった。また、免疫応答バイアスに対する効果がイソマルトデキストリンで観察された。この研究は、イソマルトデキストリンがマウスのアレルギー免疫応答バイアスを変化させる有用な予防剤候補であり、卵誘発性アレルギー反応を減少させる免疫賦活剤であることを明らかにした。

食品Anti-Inflammatory Activity of Isomaltodextrin in a C57BL/6NCrl Mouse Model with Lipopolysaccharide-Induced Low-Grade Chronic Inflammationリポ多糖誘導低レベル慢性炎症を伴うC57BL/6NCrlマウスモデルにおけるイソマルトデキストリンの抗炎症活性

Nutrients11(11) E2791(2019)

Hann M*, Zeng Y*, Zong L*, Sakurai T, Taniguchi Y, Takagaki R, Watanabe H, Mitsuzumi H, Mine Y*

*Department of Food Science, University of Guelph

リポ多糖(LPS)誘導全身低レベル慢性炎症と炎症誘発性の代謝障害の潜在的リスクを持つC57BL/6NCrlマウスモデルを用いて、イソマルトデキストリンの抗炎症活性とそのメカニズムを研究した。その結果、イソマルトデキストリンは抗炎症作用と全身性の低レベル慢性炎症を予防する有益な機能を有し、インスリン抵抗性および関連する代謝性疾患を発症するリスクを軽減するエビデンスを得た。

食品Safety assessment of isomaltodextrin-producing enzymes from Paenibacillus alginolyticusPaenibacillus alginolyticus由来イソマルトデキストリン生成酵素の安全性評価

Fundamental Toxicological Sciences6(9), 341-357(2019)

Tsuyoshi Sadakiyo, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio, Mai Sugi*1, Masakatsu Natsume*2

*1 Toxicology Laboratory for Small Animals, BioSafety Research Center Inc.
*2 Genotoxicology Laboratory, BioSafety Research Center Inc.

Paenibacillus alginolyticus由来の2種類から構成されるイソマルトデキストリン生成酵素(PP酵素)の安全性評価を行い、食品素材製造用酵素として安全性に問題はないと思われた。

その他An Information Extraction and Knowledge Graph Platform for Accelerating Biochemical Discoveries生化学分野での発見を加速するための情報抽出とナレッジグラフプラットフォーム

In Proceedings of KDD 2019: Workshop on Applied Data Science for Healthcare (KDD 2019 Workshop). ACM, New York, NY, USA, 4 pages.

Matteo Manica*1, Christoph Auer*1, Valery Weber*1, Federico Zipoli*1, Michele Dolfi*1, Peter Staar*1, Teodoro Laino*1, Costas Bekas*1, Akihiro Fujita, Hiroki Toda*2, Shuichi Hirose*2, Yasumitsu Orii*2

*1 IBM Zurich
*2 NAGASE CO., LTD.

ヒトによる探索では研究者の先入観があること、処理できる情報量に限りがあることから、気が付かない発見がある。本論文では生化学分野の論文・公共データベースから情報を抽出し、生化学分野に関するナレッジグラフを作製した。本ナレッジグラフを用いることで、ヒトが気が付かなかった発見につながることが期待される。また、探索の時間を大幅に縮小できると考えられる。

食品Glucosyl hesperidin: safety studies糖転移ヘスペリジン:安全性試験

Fundamental Toxicological Sciences 6(8), 299-317 (2019)

Shuji Matsumoto, Takaharu Hashimoto, Chie Ushio, Keisuke Namekawa, Alan Blake Richards*

*Vanguard Regulatory Services, Inc., USA

糖転移ヘスペリジンを使用して、4週間および13週間の亜慢性毒性、ラットを用いた催奇形性試験、染色体異常およびマウス小核形成試験を含むGHのOECD準拠の毒性試験を実施した。いずれにおいても安全性に問題はなく、これらのOECD準拠の試験結果は、GHを食品・飲料原料として安全に使用することを支持するものである。

食品Effect of Isomaltodextrin Intake on the Skin Condition and QOL of Healthy Subjects: A Randomized, Double-blind, Parallel-group, Placebo-controlled Study with Intake for 8 Consecutive Weeks健常成人の皮膚性状とQOLに対するイソマルトデキストリン摂取の影響:8週間継続摂取による無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照試験

診療と新薬 Medical Consultation & New Remedies 56(12), 907-916 (2019)

Yuki Ishida, Tsuyoshi Sasakiyo, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio, Shuji Nakada*

*Medical Corporation Bokushinkai CLINITEXE Clinic

便秘気味で肌乾燥の自覚がある健常成人男女にIMDを8週間継続摂取させたところ、皮膚科医による肌性状の評価において改善が認められた。さらに、腸内環境の指標とされる血中フェノール濃度が比較的高かった者では、IMD摂取により血中フェノール濃度が低減し、皮膚(足)水分量の高値が確認された。

その他Aqueous two-phase extraction of semiconducting single-wall carbon nanotubes with isomaltodextrin and thin-film transistor applications イソマルトデキストリンと薄膜トランジスタの用途による半導体単層カーボンナノチューブの水系2相抽出

Applied Physics Express 12(9), 097003.1-097003.5 (2019)

Haruka Omachi*1-2, Tomohiko Komuro*1, Kaisei Matsumoto*1, Minako Nakajima*2, Hikaru Watanabe, Jun Hirotani*3, Yutaka Ohno*3-4, Hisanori Shinohara*1

*1 Department of Chemistry, Graduate School of Science, Nagoya University
*2 Research Center for Materials Science, Nagoya University
*3 Department of Electronics, Graduate School of Engineering, Nagoya University
*4 Institute of Materials and Systems for Sustainability, Nagoya University

費用対効果が期待されるイソマルトデキストリン(α-1,6-グルコシド結合を多く含む多糖類)を用いた水系2相抽出法により、半導体型カーボンナノチューブを精製することに成功した。製造された薄膜トランジスタが優れた特性を示すことも明らかとなった。

2018

その他Structural features of a bacterial cyclic α-maltosyl-(1→6)-maltose (CMM) hydrolase critical for CMM recognition and hydrolysis環状 α-マルトシル-(1→6)-マルトース (CMM) の認識と加水分解に重要な微生物由来CMMヒドロラーゼの構造的特徴

Journal of Biological Chemistry 2018 Oct 26;293(43):16874-16888

Masaki Kohno, Takatoshi Arakawa*1, *2, Hiromi Ota*3, Tetsuya Mori, Tomoyuki Nishimoto, Shinya Fushinobu*1, *2

*1 Department of Biotechnology, The University of Tokyo
*2 Collaborative Research Institute for Innovative Microbiology, The University of Tokyo
*3 Advanced Science Research Center, Okayama University

これまでに,我々は土壌中の微生物であるArthrobacter globiformisが,2分子のマルトースがα-1,6結合で環化した新規環状四糖、環状α-1,6-マルトシルマルトース (CMM)を作り出すことを見出している.本研究において,我々はこのCMMを分解する酵素 (CMM hydrolase) の結晶構造からその分解メカニズムを明らかにした.その結果,この細菌がCMMに特化したユニークな代謝経路を持つことが明らかとなった。

食品4G-β-D-Galactosylsucrose(ラクトスクロース)摂取による花粉症の症状緩和

日本応用糖質科学会誌 8(4), 291-297 (2018)

定清 剛、安田(山下) 亜希子、三皷 仁志、牛尾 慎平

スギ花粉等の飛散時期に花粉症の症状を呈する被験者にラクトスクロース 3 gを1日1回,18週間摂取させ,症状の変化を解析した。その結果,ラクトスクロースの長期摂取は花粉症の症状を緩和し,スギ花粉等の飛散時期における生活の質を改善することが示された。

飼料機能性糖質「トレハロース」の飼料用途開発

アグリバイオ 2(7), 44-47 (2018)

向井 和久

トレハロースについて概説するとともに,その飼料用途開発として,飼料の物性改善,畜産物の生産性向上,畜産物の品質向上などを目的とした開発事例について紹介した。

医療NK-4 exerts selective regulatory effects on the activation and function of allergy-related Th2 cellsNK-4はアレルギーに関連するTh2細胞の活性化と機能を選択的に制御する

PLoS One 13(6), e0199666 (2018)

Keizo Kohno, Satomi Koya-Miyata, Akira Harashima, Toshio Ariyasu, Shimpei Ushio

ルミンAの主要有効成分NK-4は、Th2細胞からのアレルギーの諸症状を誘導するサイトカインIL-4、IL-5の産生を抑制すること、IL-4刺激によるヒト真皮線維芽細胞から産生されるケモカイン(TARC)の産生を抑えることを明らかにした。さらに、これらの現象に繋がる細胞内のシグナル伝達経路についても解明した。

食品Effects of isomaltodextrin in postprandial lipid kinetics: Rat study and human randomized crossover study食後の脂質動態に対するイソマルトデキストリンの影響:ラット試験およびヒトランダム化クロスオーバー試験

PLoS One 13(5) e196802 (2018)

Ryodai Takagaki, Yuki Ishida, Tsuyoshi Sadakiyo, Yoshifumi Taniguchi, Takeo Sakurai, Hitoshi Mitsuzumi, Hikaru Watanabe, Shigeharu Fukuda, Shimpei Ushio

イソマルトデキストリンの血中中性脂肪上昇抑制作用を検討した。ラットでは大豆油とともにイソマルトデキストリンを投与したとき、ヒトでは脂質含有食品とともにイソマルトデキストリン2.5 gを摂取させたとき、その後の血中中性脂肪上昇が抑制された。作用メカニズムは、イソマルトデキストリンによる脂質ミセル粒子の安定化およびゼータ電位の上昇による脂質吸収抑制が示唆された。

食品Cyclic nigerosyl-1,6-nigerose-based nanosponges: An innovative pH and time-controlled nanocarrier for improving cancer treatment環状ニゲロシル-1,6-ニゲロースベースのナノスポンジ:癌治療を改善する革新的なpHおよび時間制御されたナノキャリア

Carbohydrate Polymers, 194 111-121 (2018)

F. Caldera*1, M. Argenziano*2, F. Trotta*1, C. Dianzani*2, L. Gigliotti*3, M. Tannous*1, L. Pastero*4, D. Aquilano*4, T. Nishimoto, T. Higashiyama, R. Cavalli*2

*1 Dipartimento di Chimica-Università di Torino
*2 Dipartimento di Scienza e Tecnologia del Farmaco-Università di Torino
*3 Dipartimento di Scienze della Salute, UPO
*4 Dipartimento di Scienze della Terra, Università di Torino

架橋ポリマーが環状ニゲロシル-1-6-ニゲロース(CNN)と呼ばれるテトラグルコースをピロメリット酸二無水物と反応させることによって得られた。 架橋反応により、ナノスポンジと呼ばれる固体ナノ粒子が形成された。CNN-ナノスポンジは、ドキソルビシンの持続的送達のための有望な生体適合性ナノキャリアであり、癌治療における潜在的な局所適用を伴う可能性がある。

2017

食品澱粉から酵素の力でつくる新しい水溶性食物繊維イソマルトデキストリン

生産と技術 69(4), 40-43 (2017)

渡邊 光

イソマルトデキストリンの基本情報、諸物性および生理機能を紹介。生理機能に関しては腸内菌叢改善作用、便通改善作用、脂肪代謝改善作用、血糖上昇抑制作用について紹介した。

香粧品Effects of a non-cyclodextrin cyclic carbohydrate on mouse melanoma cells: Characterization of a new type of hypopigmenting sugarサイクロデキストリンとは異なる環状糖のマウスメラノーマに対する効果:新たな美白作用を示す糖質の特徴について

PLoS One 12(10) e0186640 (2017)

Shuji Nakamura, Toshio Kunikata, Yohsuke Matsumoto, Toshiharu Hanaya, Akira Harashima, Tomoyuki Nishimoto, Shimpei Ushio.

環状四糖であるCNNはin vitroの細胞培養系において細胞障害なく顕著で長期の美白作用を示した。その作用機序が、直接的な酵素阻害に加えて、細胞内のオルガネラ形態変化を伴う新規のものであることから、新たな糖質美白素材を提供できることが期待できる。

食品The attenuating effect of isomaltodextrin on postprandial blood glucose level in healthy human subjects: a randomized, placebo-controlled, double-blind crossover study健常被験者の食後血糖値におけるイソマルトデキストリンの抑制効果:無作為プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験

JAPANESE PHAMACOLOGY & THERAPEUTICS 45(7), 1179-1185 (2017)

Yuki Ishida, Tsuyoshi Sadakiyo, Shin-ichiro Inoue, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi, Shigeharu Fukuda, Shimpei Ushio, Jun-ichi Hiramatsu*

* Hiramatsu Clinic

血糖値の上がりやすい被験者へのグルコース負荷時にイソマルトデキストリン2.5 gを同時摂取させると、摂取させないときと比べて摂取45分後(摂取させないときに血糖値がピークに達するポイント)の血糖値(実測値、変化量)が有意に低くなった。またCmax、⊿Cmaxも有意に低値になった。

食品トレハロースの特性を活かした機能性素材としての開発 ~エネルギー源, ストレス応答, オートファジー~

BIO INDUSTRY 34(3) 1-11(2017)

新井 紀恵

トレハロースの生物学的意義や、動物やヒト試験で認められた種々の生理作用の他、トレハロースが持つ生理作用がオートファジーと関連することを示唆する最近の知見を紹介し、機能性素材としての今後の展望について示した。

食品Isomaltodextrin prevents DSS-induced colitis by strengthening tight junctions in miceイソマルトデキストリンのタイトジャンクション増強によるDSS腸炎の抑制

Food Science and Technology Research, 23(2), 305-317 (2017)

Chikako Arai, Takeo Sakurai, Satomi Koya-Miyata,Shigeyuki Arai, Yoshifumi Taniguchi, Takashi Kamiya, Chiyo Yoshizane, Kazue Tsuji-Takayama, Hikaru Watanabe, Shimpei Ushio and Shigeharu Fukuda

マウスではイソマルトデキストリンの前投与によってDSS腸炎の症状および病理スコアの有意な低下が認められた。結腸の免疫組織染色およびウエスタンブロッティングでイソマルトデキストリン投与群ではタイトジャンクション蛋白であるClaudin-3, ZO-1発現が水群に比べ、増加していた。以上の結果からイソマルトデキストリン摂取はタイトジャンクションを維持し、腸の健康に良いと考えられた。

食品Safety assessment of a soluble dietary fiber, isomaltodextrin, enzymatically produced from starch澱粉から酵素で製造される水溶性食物繊維、イソマルトデキストリンの安全性評価

Fundamental Toxicological Sciences 4(2), 57-75 (2017)

Tsuyoshi Sadakiyo, Shin-ichiro Inoue, Yuki Ishida, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio

イソマルトデキストリンについて各種安全性評価が実施された。急性毒性試験のLD50 は2000 mg/kgより大きかった。90日連続投与試験でNOAELは1000 mg/kg/dayとされた。Ames試験、小核試験、染色体異常試験の結果、遺伝毒性は確認されなかった。ヒトにおける下痢に対する最大無作用量は0.8 g/kg-BWと算出された。またヒトにおいて30 g/日で4週間、10 g/日で12週間連続摂取する試験がそれぞれ実施され異常所見は確認されなかった。

食品Attenuation of postprandial blood glucose in humans consuming isomaltodextrin: carbohydrate loading studiesイソマルトデキストリンを摂取したヒトにおける食後血糖上昇抑制:炭水化物負荷試験

Food & Nutrition Research 61(1), 1325306 (2017)

Tsuyoshi Sadakiyo, Yuki Ishida, Shin-ichiro Inoue, Yoshifumi Taniguchi, Takeo Sakurai, Ryodai Takagaki, Mayumi Kurose, Tetsuya Mori, Akiko Yasuda-Yamashita, Hitoshi Mitsuzumi, Michio Kubota, Hikaru Watanabe, Shigeharu Fukuda

血糖値の上がりやすい被験者にマルトデキストリンもしくはスクロース負荷と同時にイソマルトデキストリン10 gを摂取させたとき、摂取させないときに比べて血糖値の上昇が抑制された。またグルコース負荷時でも血糖値の上がりやすい被験者でイソマルトデキストリンを同時摂取させると5 gで血糖値の上昇が有意に抑制され、10 g摂取で抑制傾向が示された。

その他トレハロースの生理作用の探索 -始まりからメカニズムにせまる最新の研究まで-

日本応用糖質科学会誌 7(2), 91-96 (2017)

原島 哲

トレハロースは自然界で多くの動植物・微生物に分布している2糖であり、その生理作用についても、古くから数多くの報告がある。しかしヒトでの生理作用の研究が本格化したのは、20年程前に工業的に安価な製造法が確立されてからである。本総説ではヒトでの作用を中心に、その全貌を概観しメカニズム解明の現状を紹介した。

食品The Effect of a Beverage Containing Isomaltodextrin on Bowel Movements in Healthy Subjects: A Randomized, Double-blind, Placebo-controlled, Crossover Study 健常被験者の排便におけるイソマルトデキストリン含有飲料の効果:無作為プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験

JAPANESE PHAMACOLOGY & THERAPEUTICS 45(4), 609-616 (2017)

Yuki Ishida, Tsuyoshi Sadakiyo, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi, Shimpei Ushio, Isao Takehara*1, Kazuhiko Takano*2

*1 Clinical Support Corporation Ltd.
*2 Medical Corporation Hokubu-kai Utsukushigaoka Hospital

健常成人20名にイソマルトデキストリン5 gを含む飲料(試験飲料)もしくは含まない飲料(対照飲料)を1日1本2週間摂取させた。試験責任医師の判断により3名を除外して解析した結果、試験飲料摂取時は対照飲料摂取時に比べて排便日数や排便量が有意に高くなった。

食品新規な難消化性糖質生成酵素に関する研究

日本応用糖質科学会誌 7(1), 16-22 (2017)

渡邊 光

澱粉から高付加価値糖質を生産することを目的にスクリーニングした結果、土壌由来細菌から難消化性糖質生成に関わるふたつの新規酵素系を見出した。このうちPaenibacillus alginolyticus PP710株が産生するα-グルコシルトランスフェラーゼおよびα-アミラーゼが協同的に反応する反応系を用いて、澱粉からα-1,6、α-1,3結合含量の高い多分岐α-グルカンの一種、イソマルトデキストリンを工業的に製造する方法を確立し、新しい水溶性食物繊維として上市した。

食品Glycemic, insulinemic and incretin responses after oral trehalose ingestion in healthy subjects健常人でのトレハロース経口摂取による血糖値、インスリン値、インクレチン応答について

Nutrition Jounal 16:9 (2017) DOI 10.1186/s12937-017-0233-x

Chiyo Yoshizane, Akiko Mizote, Mika Yamada, Norie Arai, Shigeyuki Arai, Kazuhiko Maruta, Hitoshi Mitsuzumi, Toshio Ariyasu, Shimpei Ushio, Shigeharu Fukuda

健常成人20名にトレハロースまたはグルコース25 g負荷試験をクロスオーバーで実施した。トレハロースはグルコースに比べ急激な血糖値上昇を起こさず、インスリン低刺激性を示した。さらに脂肪蓄積を引き起こすGIP分泌はトレハロース摂取でグルコース摂取に比べて顕著に低かった。これらの事から、トレハロースは健康に有用な糖質である可能性が示唆された。

食品Improvement on bowel movement by isomaltdextrin in women - A double-blind crossover placebo-controlled study-女性におけるイソマルトデキストリンによる排便の改善 -二重盲検クロスオーバープラセボ対照試験-

JAPANESE PHAMACOLOGY & THERAPEUTICS 45(2), 201-209 (2017)

Shin-ichiro Inoue, Tsuyoshi Sadakiyo, Yuki Ishida, Hikaru Watanabe, Hitoshi Mitsuzumi, Shigeharu Fukuda, Shimpei Ushio, Makoto Terashima*1, Naoki Miura*2

*1 Oneness Support Co. Ltd.
*2 Miura Clinic

週の排便回数が2-4回の健常成人女性10名にイソマルトデキストリンもしくはマルトデキストリンを15 g/日で4週間摂取させた。除外規定に該当した1名を除いて解析した結果、イソマルトデキストリン摂取時はマルトデキストリン摂取時に比べて4週目の排便日数が有意に高かった。また、2週目の便中の短鎖脂肪酸の変化量も有意に高かった。

2016

食品Daily intake of trehalose is effective in the prevention of lifestyle-related diseases in individuals with risk factors for metabolic syndromeトレハロースの継続摂取はメタボリックシンドロームのリスクを持つヒトの生活習慣病予防に役立つ

Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 62(6), 380-387 (2016)

Akiko Mizote, Mika Yamada, Chiyo Yoshizane, Norie Arai, Kazuhiko Maruta, Shigeyuki Arai, Shin Endo, Rieko Ogawa, Hitoshi Mitsuzumi, Toshio Ariyasu, Shigeharu Fukuda

1日10gのトレハロースまたはスクロース摂取試験(12週間)を実施。その結果、トレハロースはBMI 23以上の被験者の糖負荷2時間後の血糖値を改善し、体幹部脂肪率が高めの被験者の体重、腹囲および血圧を低下させた。トレハロースの継続的な摂取はメタボリックシンドローム予防の一助となることが示唆された。

医療Tumor-specific delivery of biologics by a novel T-cell line HOZOT新規のT細胞株HOZOTを用いたがん特異的生物製剤

Scientific Reports 6, 38060 (2016)

Teppei Onishi*1, Hiroshi Tazawa*1,2, Yuuri Hashimoto*1, Makoto Takeuchi, Takeshi Otani, Shuji Nakamura, Fuminori Sakurai*3, Hiroyuki Mizuguchi*3, Hiroyuki Kishimoto*1, Yuzo Umeda*1, Yasuhiro Shirakawa*1, Yasuo Urata*4, Shunsuke Kagawa*1 and Toshiyoshi Fujiwara*1

*1 Department of Gastroenterological Surgery, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences
*2 Center for Innovative Clinical Medicine, Okayama University Hospital
*3 Laboratory of Biochemistry and Molecular Biology, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Osaka University
*4 Oncolys BioPharma, Inc.

HOZOTのCell-in-Cell活性を利用して、腫瘍融解ウイルスを導入したHOZOTを作製し、動物モデルを用いて腫瘍融解ウイルスをがん細胞選択的に送達する技術を開発した。本技術により、難治性の腹膜播種転移に対する新たな治療が期待される。

香粧品身体用洗浄剤への機能性糖質の配合

フレグランスジャーナル44(7), 45-50 (2016)

金澤 孝太

香粧品、特に洗浄剤用途におけるトルナーレの総説。泡特性、肌荒れ緩和作用、毛髪補修作用等に言及。糖質に一般的な湿潤作用に加え、トルナーレを機能性糖質として紹介した。

医療Cholesteryl pullulan nanoparticles-encapsulated TNF-α: an effective mucosal vaccine adjuvant against influenzaTNF-α内封コレステロールプルラン: インフルエンザウイルスに対する効果的な粘膜ワクチンアジュバントとして

"Steps Forwards in Diagnosing and Controlling Influenza" edited by Manal Mohammad Baddour, InTech, 139-159 (2016)

Tsunetaka Ohta

TNF-αを内封したコレステロールプルランは、インフルエンザウイルスの致死的感染からマウスを効率的に防御することが出来る有効な免疫アジュバンドとして機能する。

食品Involvement of splenic iron accumulation in the development of nonalcoholic steatohepatitis in Tsumura Suzuki Obese Diabetes miceTSODマウスの非アルコール性脂肪肝炎進展における脾臓鉄沈着の関与

Scietific Reports 6, 22476 (2016)

Kazutoshi Murotomi*, Shigeyuki Arai, Satoko Uchida, Shin Endo, Hitoshi Mitsuzumi, Yosuke Tabei*, Yasukazu Yoshida*, and Yoshihiro Nakajima*

* Health Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology

TSODマウスを用いて非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対する糖転移ヘスペリジン(GHes)の作用を検討した。GHesはNASH初期段階の肝臓の炎症や細胞障害を抑制した。さらにGHesは、NASH重症度と相関する脾臓の鉄沈着を軽減した。

飼料Effects of trehalose supplementation on the growth performance and intestinal innate immunity of juvenile chicksトレハロース給与が幼雛期の肉用鶏の飼養成績および腸内自然免疫に対する影響

British Poultry Science 57(3), 375-380 (2016)

Motoi Kikuzato*, Fumika Nanto*, Kazuhisa Mukai, and Masaaki Toyomizu*

* Animal Nutrition, Life Sciences, Graduate School of Agricultural Science, Tohoku University

幼雛期の肉用鶏にトレハロースを給与した際の飼養成績および腸内自然免疫について調べた。トレハロース給与により、14および18日齢の体重が有意に増加した。これは腸内自然免疫の改善によることが示唆された。

食品官能評価と機器分析

日本官能評価学会誌 20(1), 38-40 (2016)

西田 毅弘、日野 克彦

トレハロースやハローデックスを食品に添加することで、官能評価により認められる柔らかい食感の保持、不快臭抑制、ボディ感付与といった現象が、機器分析により数値化・客観化できることを紹介した。